母子生活支援施設

母子生活支援施設(入所できる人・申込先・費用と入所期間)

母子生活支援施設は、児童福祉法に基づき、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子とその子が入所できる施設です。離婚が成立していない場合の扱い、申込先、費用と入所期間を、条文と自治体の公式ページで確認します。

用紙とカードを項目別に並べた手続き書類

このページで終える確認

離婚の前や別居中でも母子生活支援施設に入所できる場合があるか、どこに申し込むか、費用と入所期間はどうなっているかの三つに絞って確認します。個別の入所可否の判定、施設の空き状況、特定の施設の紹介はこのページでは行いません。

児童福祉法の定め

母子生活支援施設は、児童福祉法第38条が定める児童福祉施設です。条文では、この施設の目的を次のように定めています。「母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。」

入所の申込みについては、同法第23条第1項が次のように定めています。「都道府県等は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における保護者が、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子であつて、その者の監護すべき児童の福祉に欠けるところがある場合において、その保護者から申込みがあつたときは、その保護者及び児童を母子生活支援施設において保護しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、適当な施設への入所のあつせん、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の適用等適切な保護を行わなければならない。」とされています。

申込書の提出については、同条第2項が次のように定めています。「前項に規定する保護者であつて母子生活支援施設における保護の実施(以下「母子保護の実施」という。)を希望するものは、内閣府令の定めるところにより、入所を希望する母子生活支援施設その他内閣府令の定める事項を記載した申込書を都道府県等に提出しなければならない。この場合において、母子生活支援施設は、内閣府令の定めるところにより、当該保護者の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。」とされています。

これらの条文には、入所の条件として「離婚が成立していること」は書かれていません。「これに準ずる事情」の中身も、この2条の文言には書かれていません。どのような場合が対象になるかは、次の節のとおり、自治体などの公式ページが案内しています。

入所できる人と、離婚が成立していない場合

自治体と福祉医療機構の公式ページは、対象を次のように案内しています。いずれも18歳未満の子を養育している母子世帯が中心で、離婚が成立していなくても入所できる場合があるとする案内が複数あります。

表は横にスクロールできます。

公式ページによる、母子生活支援施設の対象と離婚が成立していない場合の案内(確認日: 2026年9月22日)
出典対象の案内離婚が成立していない場合
日野市(東京都)「18歳未満の子を養育している母で、住むところや生活、子育てに困っている(=「児童の福祉に欠ける状態にある」)方が利用できます。」「※離婚が成立していなくても、状況によっては入居できる場合があります。」「※聞き取り等により状況を確認した結果、要件に該当しないと判断された場合、入居できないことがあります。」
板橋区(東京都)「18歳未満のお子さんを養育している母子世帯で、住まいや生活、病気など様々な問題により子どもの養育が十分にできない悩みを抱える場合に親子で入居できます。」「現在、離婚調停中の方や事情があって離婚できずにいる方でも、入居できる場合があります。」「入所要件や空室状況、より支援を必要とする世帯の優先度などにより入居できない場合があります。」
札幌市(北海道)「18歳未満の児童を扶養している母子世帯又はこれに準ずる事情にある世帯で、生活・住宅・就職などの困難な問題により児童の福祉に欠ける場合に、入所することができる施設です。」離婚が成立していない場合についての記載は、確認したページ上には見当たりませんでした。
福祉医療機構(WAM NET)「離婚等により生活や子どもの養育が困難となった、18歳未満の子どものいる母子家庭」「何らかの理由で離婚ができない方も含まれます」

日野市は、「※原則、18歳以上のお子さん(男女問わず)と一緒に入居することはできません。」とも案内しています。

入所できるかどうかは、このページでは判定しません。

日野市と板橋区の案内は、いずれも「入居できる場合がある」という書き方です。離婚が成立していない場合でも必ず入所できるとは書かれておらず、聞き取りなどの結果、入所要件や空室状況、世帯の優先度で入所できない場合もあります。

申込みの窓口と流れ

申込みの窓口は、お住まいの地域の福祉事務所(都道府県・市区町村)です。福祉医療機構は「利用を希望する場合は、お住まいの地域の福祉事務所(都道府県、市区町村)へ申請します。利用の可否については、福祉事務所が調査して判断します。」と案内しています。

窓口の呼び名は自治体ごとに違います。日野市は「市が実施機関となりますので、入所については母子・父子自立支援員との面接が前提になります。」、板橋区は「各福祉課の母子・父子自立支援員にご相談ください。」、札幌市は「入所の申込は随時受け付けておりますので、お住まいの区の健康・子ども課にご相談ください。各施設へ直接申込をすることはできません。」としています。札幌市は、あわせて「世帯の状況を確認の上、各区健康・子ども課が入所の決定を行います。」と案内しています。

日野市の案内にある、相談から入居までの流れは次のとおりです。

日野市の案内にある、相談から入居までの流れ(確認日: 2026年9月22日)
順序案内の文言
1「母子父子自立支援員に相談し、状況聞き取りと施設についての説明を受ける(必要に応じて複数回来所していただく可能性があります)」
2「入居を希望し、要件に合致する可能性が高いと判断される場合、施設の見学(面談)を行う ※複数回の可能性あり」
3「本人、施設とも入居(受け入れ)を希望する場合、必要書類を揃えて申請書を提出」
4「審査の結果、入居が認められた場合、日程調整のうえ、入居」

日野市は、この流れとは別に「申請にあたり健康診断を受診していただきます。」とも案内しています。

費用と入所期間

費用は、入所者が負担する「徴収金」と、食費・光熱水費などの生活費に分かれるという案内が中心です。徴収金の決まり方と金額は自治体ごとに定められているため、このページでは金額を扱いません。

公式ページによる、母子生活支援施設の費用の案内(確認日: 2026年9月22日)
出典費用の案内
日野市「家賃等の施設利用料としての徴収はありません。原則、前年度の課税状況に応じて徴収金(毎月徴収)をご負担いただきます。」「事情により減免を受けられる可能性があります。」「その他、食費、光熱水費、雑費等は自己負担となります。」
板橋区「所得に応じて利用料金が発生します。」「なお、居室内の光熱水費(電気、ガス、水道代)は自己負担となります。」
札幌市「入所者が負担する徴収金は、原則として、世帯の当該年度分(入所時期によって前年度分)の市町村民税の課税状況によって決まります。徴収金のほか、居室の光熱水費をはじめとする生活費は各自の負担となります。」
福祉医療機構(WAM NET)「世帯の所得に応じた負担があります。光熱水費については実費負担となります。」

入所期間については、板橋区が「原則2年間を上限としています。」と案内しています。今回確認した他の3つの案内には、入所期間の記載は見当たりませんでした。

よくある質問と窓口(児童福祉法と自治体の案内で確認できる範囲)

Q. 離婚が成立していなくても入所できますか。
A. 児童福祉法第23条・第38条の文言に、入所の条件として離婚の成立は書かれていません。日野市と板橋区は離婚が成立していなくても入居できる場合があると案内していますが、聞き取りの結果や空室状況、優先度で入れない場合もあります。

Q. どこに申し込みますか。
A. お住まいの地域の福祉事務所(都道府県・市区町村)です。福祉医療機構(WAM NET)は福祉事務所が調査して利用の可否を判断すると案内しています。札幌市は各施設へ直接申し込めないとしているため、まず窓口に相談してください。

Q. 費用はいくらかかりますか。
A. 金額は自治体ごとに定められており、このページでは扱いません。日野市・札幌市は前年度の課税状況などに応じた徴収金、板橋区は所得に応じた利用料と案内し、居室の光熱水費などは自己負担です。

Q. 何年入所できますか。
A. 板橋区は原則2年間を上限と案内しています。ほかに確認した3つの案内には入所期間の記載が見当たらず、延長できるかも確認できていません。

Q. 男の子や大きい子も一緒に入れますか。
A. 日野市は、原則として18歳以上の子と一緒に入居することはできないと案内しています。対象は18歳未満の子を養育している母子世帯が中心です。

相談先: お住まいの市区町村の福祉事務所、母子・父子自立支援員の窓口(日野市・板橋区の案内)、札幌市の場合はお住まいの区の健康・子ども課です。電話番号や受付時間は自治体ごとに異なるため、各自治体の公式ページで確認してください。

未確認のまま扱っている事項

  • 「これに準ずる事情にある女子」の範囲を定めた条文・府令・通知の本文は、今回確認できていません。児童福祉法第23条・第38条の文言には定義がありません。
  • 厚生労働省の「母子生活支援施設運営ハンドブック」(2015年3月作成)は、第38条の条文と沿革は確認できましたが、対象の範囲を定義した箇所は確認できませんでした。
  • ここで確認した3つの自治体(日野市・板橋区・札幌市)以外の、対象・費用・入所期間・窓口の名称は確認していません。実際の扱いは、お住まいの自治体で異なる場合があります。
  • 入所期間は板橋区の案内だけを確認しています。延長できるかどうかは確認できていません。
  • 各施設の所在地・定員・空き状況は扱っていません。

DVから離婚前に避難する場合の一時保護と女性自立支援施設(旧婦人保護施設)の入所は、DVの一時保護と女性自立支援施設のページで整理しています。

住まいの費用を支援する別の制度はひとり親家庭住宅支援資金貸付の申請手続きで、離婚届の提出前後に必要になる行政手続き全体は離婚届提出時の行政手続きで確認できます。入所の前後に、家事・育児の支援員を派遣する制度はひとり親家庭等日常生活支援事業のページ、就職や就業の相談先は就業・自立支援センターのページで確認できます。

公式根拠

母子生活支援施設の目的と入所の申込みは、e-Gov法令検索の児童福祉法(第23条・第38条)で確認しました。対象・窓口・費用・入所期間の案内は、日野市、板橋区、札幌市、福祉医療機構(WAM NET)の各ページで確認しました(確認日2026年9月22日)。沿革は厚生労働省の母子生活支援施設運営ハンドブックで確認しました。

氏名や住所の変更に伴う手続きは印鑑登録の再登録、運転免許証の記載事項変更、パスポートの記載事項変更で整理しています。婚姻中の氏を離婚後も名乗る届出は婚氏続称の手続き、世帯の分け方は世帯変更の届出で確認できます。

確認日: よくある質問は、このページに書いた児童福祉法と各自治体の案内の確認結果(2026年9月22日)の範囲で整理し、2026年10月9日に見直しました。

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