このページで終える確認
離婚届の提出に伴う氏の変更届の存在自体は行政手続きパックの氏の変更届で確認済みという前提で進めます。ここでは、何もしなければ婚姻前の氏に戻る原則と、届出をすれば婚姻中の氏を続けられる例外の関係、届出先、3か月を過ぎた場合の扱いに絞って確認します。子ども自身の氏を変更する手続き(子の氏の変更許可の申立て)は別の手続きで、このページでは扱いません。個別の家庭裁判所の許可の可否はこのページでは判定しません。離婚届そのものの提出先と期限は離婚届の提出先・必要書類・期限のページで確認できます。婚姻前の氏に戻るときに元の戸籍へ戻るか新しい戸籍をつくるかは、新しい戸籍か元の戸籍かのページで確認できます。
窓口・持ち物・手数料・期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 本籍地または届出人の住所地(所在地)の市区町村役場(戸籍法25条1項) |
| 持ち物 | 届書(離婚の年月日を記載、戸籍法77条の2)。このほかの添付書類は自治体の案内で表現が異なり、一次資料では全国一律に確認できていません |
| 手数料 | この資料では確認できていません |
| 期限 | 離婚の日から3か月以内(民法767条2項)。協議離婚でも裁判離婚でも同じです |
窓口の持ち物は、届出先の市区町村役場で事前に確認してください。氏名変更の窓口を並べて見るには離婚後の氏名変更手続きの比較を使えます。
よくある質問
Q. 何も届け出なかった場合、氏はどうなりますか。
A. 婚姻によって氏を改めた側は、離婚と同時に婚姻前の氏に戻ります(民法767条1項)。婚姻中の氏を続けたい場合だけ、婚氏続称の届が必要です。
Q. 3か月を過ぎてしまったら、婚姻中の氏は名乗れませんか。
A. 婚氏続称の届では受け付けられません。実務では、戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」による氏の変更を家庭裁判所に申し立てる扱いになりますが、認められるかは個別の事情によります。
Q. 婚氏続称の届を出すと、子どもの氏も同じになりますか。
A. なりません。子どもの戸籍上の氏や戸籍は自動的には変わりません。子も同じ氏にしたい場合は、家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立て、許可後に入籍届を出す別の手続きが必要です。
Q. 3か月を過ぎてしまったら、婚氏続称の届は出せませんか。
A. 民法767条2項は離婚の日から3か月以内と定めており、期限後は同じ届では受け付けられません。婚姻中の氏へ変えたい場合は、戸籍法107条1項に基づく家庭裁判所の許可を経て氏の変更を届け出る扱いが実務上あります。許可の見通しは断定できないため、詳しくは「3か月を過ぎた場合」の節と、本籍地の市区町村・家庭裁判所の案内で確認してください。
Q. 期限日が休日のとき、翌日に出しても間に合いますか。
A. 民法142条は慣習がある場合に限り翌日に満了するとしており、戸籍の届出に当てはまるかは確認できていません。間に合うと見込まず、前の平日までに出してください。
原則(離婚後に婚姻前の氏へ戻る扱い)
民法767条1項は「婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。」と定めています。つまり、何も届け出なければ、婚姻によって氏を改めた側は離婚と同時に婚姻前の氏に戻ります。この規定は民法771条により裁判上の離婚(裁判離婚・調停離婚等)にも準用されるため、協議離婚か裁判離婚かにかかわらず同じ原則が適用されます。
例外(婚姻中の氏を続ける届出・3か月以内)
民法767条2項は「前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。」と定めています。この届出が「離婚の際に称していた氏を称する届」(婚氏続称の届)で、戸籍法77条の2により、離婚の年月日を届書に記載して届け出ます。767条2項は771条によって裁判離婚にも当てはまります。届出の期限(離婚の日から3か月以内)は、協議離婚でも裁判離婚でも同じです。
届出先
戸籍の届出全般に適用される戸籍法25条1項は「届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。」と定めています。婚氏続称の届にもこの一般規定が適用されるため、届出先は本籍地または届出人の住所地(所在地)の市区町村役場です。
| 選択 | 必要な届出 | 期限 |
|---|---|---|
| 婚姻前の氏に戻す(原則) | 不要(民法767条1項により自動的に戻る) | なし |
| 婚姻中の氏を続ける(例外) | 離婚の際に称していた氏を称する届(戸籍法77条の2) | 離婚の日から3か月以内(民法767条2項) |
離婚日別の届出期限の計算例
民法140条は期間の初日を数えず、民法143条2項は月で定めた期間を、最後の月の応当日の前日(応当日がなければその月の末日)に満了すると定めています(e-Gov法令検索で確認、確認日2026年10月12日)。離婚の日の翌日を起算日として3か月を数えると、期限は多くの場合、3か月後の同じ日付になります。離婚の日の考え方(協議離婚は離婚届が受理された日など)は離婚届の提出のページで確認できます。
| 離婚の日 | 期限日(3か月以内) | 届出に行く日の考え方 |
|---|---|---|
| 5月31日(日) | 8月31日(月) | 月末の離婚。応当日は8月31日で、そのまま月末 |
| 10月12日(月) | 2027年1月12日(火) | 年末年始の閉庁をはさむ。年内の開庁日に出すと安全 |
| 11月30日(月) | 2027年2月28日(日) | 応当日の2月30日がないため月末の2月28日に満了。日曜にあたるので、平日の2月26日(金)までに出す |
| 12月31日(木) | 2027年3月31日(水) | 年またぎでも3か月後の同じ日付。平日なのでそのまま |
期限日が日曜・祝日にあたるときは、民法142条により「その日に取引をしない慣習がある場合に限り」翌日に満了しますが、戸籍の届出にこれが当てはまるかは一次資料で確認できていません。休日の受付の扱いは市区町村で異なる場合があるため、表のとおり前の平日までに出す前提で見てください。
3か月を過ぎた場合
民法767条2項・戸籍法77条の2は、離婚の日から3か月以内という期限を定めており、この条文自体には期限を過ぎた場合の扱いは規定されていません。期限を過ぎてから婚姻中の氏に変更したい場合、実務では戸籍法107条1項の「やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするとき」の一般規定を使い、家庭裁判所の許可を得たうえで氏の変更を届け出る扱いになります。ただし、107条1項は氏の変更全般に使う一般規定で、婚氏続称の期限を過ぎた場合を想定して書かれたものではありません。家庭裁判所が「やむを得ない事由」と認めるかどうかは個別の事情によります。必ず認められるとは限らない点に注意してください。
子どもの氏との違い
婚氏続称の届は、届け出た本人(親)の氏を婚姻中の氏のままにする手続きです。この届出をしても、子どもの戸籍上の氏や、子どもが入っている戸籍は自動的には変わりません。親が婚氏続称の届で婚姻中の氏を名乗り続けることにして、子どもも同じ氏にしたい場合は、子の氏の変更許可を家庭裁判所に申し立て、許可を得たうえで入籍届を提出するという、婚氏続称の届とは別の手続きが必要です。この子の氏の変更許可の申立てと入籍届の申立先・費用・必要書類は子の氏の変更許可と入籍届のページで確認できます。
婚氏続称の届を出さない場合に必要になる手続き
婚氏続称の届を出さず婚姻前の氏に戻ると、氏名が変わります。そのため、次の手続きが必要になります。マイナンバーカードの記載事項変更、運転免許証の記載事項変更、有効なパスポートをお持ちの方はパスポートの記載事項変更、「氏」または「氏と名」で印鑑登録をしていた方は再登録です。婚氏続称の届を出して婚姻中の氏を続ける場合は、氏名が変わらないため、これらの手続きは生じません。
未確認のまま扱っている事項
- 戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」に、婚氏続称の届出期限(3か月)を単に過ぎたことがどの程度該当しやすいか(認容の目安・審査基準)は、条文からは確認できず、公式資料でも確認できていません。
- 届出に必要な持参物(届書以外の添付書類の要否)は自治体の窓口案内によって表現が異なる場合があり、全国一律の記載を一次資料で確認できていません。実際の届出は、お住まいまたは本籍地の市区町村窓口で確認してください。
公式根拠
婚姻前の氏に戻る原則と婚氏続称の届出期限はe-Gov法令検索: 民法第767条1項・2項、裁判離婚への準用は同法第771条(いずれも条文本文を直接確認、確認日2026年10月9日)、婚氏続称の届書の記載事項はe-Gov法令検索: 戸籍法第77条の2、届出先の一般規定は同法第25条1項、期限徒過後の氏の変更に関する一般規定は同法第107条1項(いずれも条文本文を直接確認、確認日2026年10月9日)で確認できます。子の氏の変更許可の申立てを含む詳しい手続きは、お住まいの市区町村または家庭裁判所の窓口で確認してください。
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