離婚届提出時の行政手続き

離婚届提出時の行政手続き(児童扶養手当・国民年金の切り替えまで)

話し合いの整理から、離婚届と同時・直後に必要な行政手続き、そして児童扶養手当・国民年金の切り替えまで、場面ごとに確認します。

用紙とカードを項目別に並べた手続き書類

このページで終える確認

離婚に伴う行政手続きは、話し合いの段階で書面化しておくべきこと、離婚届の提出と同時・直後に必要なこと、そして届出後にできるだけ速やかに済ませるべきことに分かれます。ここでは個別の書類作成や申請代行は行わず、公式の確認先へつなぎます。

氏の変更届、住所変更、児童扶養手当、国民年金のいずれかを選び、一つの公式確認先へ進めば、このページの確認は終わりです。

公正証書と離婚届はどちらが先か(書面化の準備)

話し合いがまとまっているなら、公正証書などの書面化を離婚届の提出前に済ませておくことが選択肢のひとつです。どちらを先にすべきかは個別の状況によるため、このページでは一律には断定せず、判断材料と確認先を示します。

財産分与・親権・養育費についての話し合いは、口約束のままにせず、離婚協議書または公正証書として書面化するかどうかを検討します。行政書士事務所の料金表では、離婚協議書・公正証書作成の報酬が4〜5万円という水準で公開されています。共同養育計画書の作成も、法務省が推奨しています(法的義務ではなく任意)。話し合いがまとまった場合、離婚届の提出前に書面化を済ませておくことも選択肢のひとつです。離婚後は当事者双方の合意を新たに取り直すこと自体が難しくなる場合があるためです。財産分与の請求期限は、改正民法(2026年4月1日施行)により離婚後5年に延長されました。養育費の先取特権(優先的に回収できる権利。民法308条の2、上限額は子の数に応じて法務省令で算定)も、施行日以後に発生する分から対象になります。ただし、期限に余裕があることと、話し合いの内容を早めに書面化しておくことは別の話です。書面化の方式(離婚協議書か公正証書か)や適切なタイミングは個別の状況によるため、弁護士・公証役場に確認してください。

行政書士事務所の料金表を確認する。個別の書類作成の依頼は、このデスクでは扱いません。

氏の変更届(離婚の日から3か月以内)

婚姻の際に氏が変わった方で、離婚後も婚姻中の氏をそのまま名乗りたい場合は、「離婚の際に称していた氏を称する届」(戸籍法第77条の2)を、離婚の日から3か月以内に提出する必要があります。3か月を過ぎると、家庭裁判所の許可が必要になる場合があります(個別の扱いは窓口で確認してください)。届出先や子どもの氏との違いは離婚の際に称していた氏を称する届のページ、子どもの氏を親に合わせる手続きは子の氏の変更許可と入籍届のページで確認してください。婚氏続称の届を出さず氏名が変わった場合は、次の変更も必要です。マイナンバーカードの記載事項変更(マイナンバーカード総合サイトの案内では14日以内に市区町村へ届出)、運転免許証の記載事項変更(道路交通法94条1項により速やかに公安委員会へ届出、日数の期限規定なし)、有効なパスポートをお持ちの方はパスポートの記載事項変更(旅券法10条1項により遅滞なく申請、日数の期限規定なし)です。

中央区の離婚届・氏の変更届の案内を確認する。

氏が変わる場合に、運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・印鑑登録の期限と窓口を一覧で比べるには、離婚後の氏名変更手続きの比較を使います。

住所変更・世帯主変更・健康保険・印鑑登録

離婚によって住所が変わる場合は、同一市区町村内なら「転居届」、他の市区町村へ移る場合は元の市区町村へ「転出届」、転居先へ「転入届」が必要です。転入届は、住民基本台帳法第22条により、転入をした日から14日以内に届け出なければなりません。また、離婚によって世帯主が変わる場合(例えば、それまで配偶者が世帯主だった世帯から抜けて新しい世帯の世帯主になる場合など)は、住民基本台帳法第25条により、世帯主の変更があった日から14日以内に「世帯変更届」の提出が必要です。届出が必要になる具体的な場面、転入・転居・転出届との違いは世帯変更届のページで確認してください。国民健康保険の被保険者が氏を変更したときは、保険証の再交付も必要になります。印鑑登録をしていた場合、氏の変更に伴い再登録が必要になることがあります(「氏」または「氏と名」で登録している場合に限り、「名」のみの登録や婚氏続称の届を出す場合は不要です。詳しくは印鑑登録の再登録手続きのページで確認してください)。共同親権を選んだ場合でも、これらの届出や国民健康保険・後期高齢者医療制度において父母双方が関与しなければならない法令上の手続きはありません。

離婚届提出時・直後の主な行政手続き
手続き確認する内容期限
氏の変更届民法767条2項・戸籍法77条の2、離婚時の氏を継続する場合離婚の日から3か月以内
住所変更(転入届)住民基本台帳法22条転入した日から14日以内
世帯変更届(世帯主変更等)住民基本台帳法25条、該当する場合のみ変更があった日から14日以内
国民健康保険の資格取得届国民健康保険法施行規則第3条、配偶者の健康保険の扶養から外れて加入する場合資格を取得した日(扶養でなくなった日)から14日以内
印鑑登録の再登録氏の変更に伴う登録の見直し(名のみの登録・婚氏続称の場合は不要)自治体の案内を確認

表は横にスクロールできます。転入・世帯変更・国民健康保険の14日以内という期限は、いずれも法律・府省令の条文本文で確認済みです(下記「公式根拠」参照)。印鑑登録は自治体条例に基づくため、全国一律の期限は一次資料で確認できていません。

手続きで求められる戸籍謄本や住民票を、本籍地が遠くても取れるかは戸籍謄本・住民票をコンビニで取れる範囲のページで確認できます。離婚届を受理したことの証明を求められたときの請求先と手数料は離婚届受理証明書の請求方法のページで確認できます。配偶者の勤務先の健康保険の扶養に入っていた場合の届出と国民健康保険への加入の順序は、配偶者の健康保険の扶養から外れる手続きのページで確認できます。国民健康保険に加入した後、離婚に伴う所得の急な減少で保険料の支払いが難しい場合は、国民健康保険料の減免のページで、法的根拠と自治体ごとの基準の違いを確認してください。学齢の子どもがいる世帯で通学区域が変わる転居の場合は、子どもの転校手続きのページで、一般的な流れと区域外就学・指定校変更の制度を確認してください。

児童扶養手当・国民年金の切り替え

子どもがいる世帯で新たに受給者となる親は、児童扶養手当の認定請求書を市区町村の窓口に提出します。児童扶養手当法には、この認定請求そのものについて「離婚後○日以内」といった届出期限の定めはありません。ただし同法第7条1項により、手当は認定請求書の提出日の翌月から支給対象となり、提出が遅れても、さかのぼって受給することはできません。「離婚後15日以内に請求しないと受給できない」という趣旨の言及がインターネット上でよく見られますが、これは同法第7条2項が定める「災害その他やむを得ない理由で請求できなかった場合に、その理由がやんだ後15日以内に請求すれば支給開始月を遡れる」という特例の日数であり、通常の届出そのものに期限があるという意味ではありません。期限の有無にかかわらず、遡及支給がない以上、できるだけ速やかに提出することが有利です。共同親権を選んだ場合でも、児童扶養手当は親権や監護者の定めの有無にかかわらず、実際に子を監護している親が受給対象になります。

児童扶養手当のよくある質問(かすみがうら市)を確認する。

離婚がまだ成立していない協議中の別居の段階でも、既に児童手当を受給している世帯では、児童手当法の規定により所得にかかわらず子と同居している親に受給者を変更できる場合があります(同居優先)。詳しくは児童手当の受給者変更(同居優先)のページで確認してください。別居中の生活費の分担(婚姻費用)を家庭裁判所の調停で求める手続きは別居中の生活費(婚姻費用)のページにまとめています。

配偶者の扶養(国民年金第3号被保険者)から外れた場合は、国民年金第1号被保険者への種別変更が必要です。国民年金法施行規則第6条の2により、種別変更の事実(扶養から外れたこと)があった日から14日以内に、市区町村の年金担当窓口へ届け出なければなりません。届出先は市区町村の年金担当窓口、年金事務所、またはマイナポータルです。必要書類は本人確認書類、マイナンバーまたは基礎年金番号、離婚日のわかる書類、扶養から外れたことがわかる書類です。配偶者の勤務先経由の届出との関係、届書の記載事項、切替後の納付方法は国民年金の種別変更届のページで確認してください。種別変更の後に必要になることがある保険料の免除・納付猶予(払えるかどうかの審査)は別の手続きで、国民年金保険料の免除・納付猶予のページで確認できます。

結婚・離婚に伴う公的年金の手続き(ふじみ野市)を確認する。

ひとり親家庭の継続的な支援制度

児童扶養手当は、認定請求(上記)を終えた後も、受給を続ける限り毎年8月に「現況届」の提出が必要です。また、資格取得や講座受講を通じて就労を目指す場合は、生活費や受講費用を支援する制度もあります。それぞれ提出時期・申請の順序が独立して決まっているため、児童扶養手当の手続きの順序のページで全体の流れを確認したうえで、別ページで個別に確認します。

保育料の再算定

保育所等に子どもを預けている世帯で、離婚により世帯の構成や収入が変わった場合、保育料(利用者負担額)は市区町村への届出に基づいて再算定されます。全国一律の届出期限は一次資料で確認できていませんが、多くの自治体で、届出(世帯状況変更の届出)を市区町村が確認した後、原則として翌月1日から変更後の金額が適用される運用になっています。届出が遅れるほど、保育料の減額や副食費免除等の適用開始も遅れる可能性があるため、速やかに保育担当窓口へ確認することが有利です。

利用料(保育料)および副食費の免除対象の決定方法(横浜市)を確認する。この運用は自治体ごとに異なる場合があるため、実際の適用時期・必要書類はお住まいの市区町村で確認してください。届出のタイミングや無償化制度との関係は保育料の再算定のページで確認してください。

印鑑登録・保育料の適用時期は自治体差があります。

印鑑登録の再登録期限、保育料の再算定の詳細な運用は自治体条例・要綱に基づくため、全国一律の期限は一次資料で確認できていません。実際の届出は、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

次に読む手続き(順番の一覧)

離婚後の行政手続きは、氏、住民票・世帯、保険・年金、手当、学校・保育の順に進めると、前の手続きで取得する書類を次に使えます。各段階の詳しいページは次のとおりです。

  1. 氏: 氏名変更手続きの比較、銀行・カード・携帯の氏名変更、国家資格・免許の氏名変更、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、印鑑登録
  2. 住民票・世帯: 世帯変更届
  3. 保険・年金: 健康保険の扶養から外れる手続き、国民健康保険料の減免、国民年金の種別変更届
  4. 手当: 児童扶養手当の手続きの順序、児童育成手当(東京都)
  5. 学校・保育: 転校手続き、保育料の再算定

離婚届提出から3か月までの手続き一覧(窓口別・期限順)

各行の期限と持ち物は、リンク先の個別ページに書かれている内容に合わせています。期限の日数は離婚届を出した日ではなく、各手続きで定められた「事実があった日」などの起点から数えます。自治体ごとに案内が異なる項目は「自治体で確認」としています。

離婚届提出から3か月までの手続き(窓口別・期限順)
窓口手続き期限主な持ち物・書類
市区町村(住民課)世帯変更届変更があった日から14日以内本人確認書類(代理人は委任状を求める自治体あり)
市区町村(国保年金課)国民健康保険の加入届勤務先の健康保険をやめたときから14日以内資格喪失証明書(配偶者の勤務先の健康保険で入手)
市区町村(国保年金課)国民年金の種別変更届事実があった日から14日以内届書、本人確認書類(そのほかの添付書類は自治体で確認)
市区町村マイナンバーカードの記載事項変更(氏が変わる場合)14日以内(J-LISの案内)カード本体、住民基本台帳用の暗証番号(4桁)
市区町村(児童手当の窓口)児童手当の受給者変更住所変更後15日以内の請求で翌月分から支給(15日特例)自治体で確認
市区町村(子ども家庭の窓口)児童扶養手当の認定請求期限の定めはないが、遡及支給がないため速やかに自治体で確認
市区町村(保育担当)保育料の再算定全国一律の期限なし(自治体で確認)自治体で確認
市区町村印鑑登録の再登録期限の定めは確認できていません(印鑑証明書が要るとき)自治体で確認
公安委員会(警察署・運転免許センター)運転免許証の記載事項変更「速やかに」(日数の定めなし)届出書、本籍が記載された住民票の写し(条件により不要)
パスポートセンターパスポートの記載事項変更「遅滞なく」(日数の定めなし)申請書、戸籍謄本、有効なパスポート、写真
市区町村(戸籍窓口)離婚の際に称していた氏を称する届離婚の日から3か月以内自治体で確認

年金事務所・運輸支局・勤務先を含む窓口別の一覧は離婚後の手続きの順番と窓口別一覧にあります。マイナポータルなどのオンラインで済むもの、来庁が必要なもの、郵送できるものの比較は離婚後の手続き オンライン・窓口・郵送の比較で確認できます。

配偶者の勤務先を通じた被扶養者の異動届は、離婚による削除の法令上の期限を確認できていないため、この表には入れていません。詳しくは健康保険の扶養から外れる手続きを確認してください。

よくある質問

離婚届を出したあと、最初にどこへ行けばよいですか。

期限の短い市区町村の窓口です。世帯変更届・国民健康保険の加入届・国民年金の種別変更届は、いずれも事実があった日から14日以内です。上の一覧で窓口別に確認できます。

氏を変えない場合も届出が必要ですか。

婚姻中の氏を名乗り続ける場合は、離婚の日から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を出します。3か月を過ぎると家庭裁判所の許可が必要になる場合があります。

児童扶養手当は、離婚後いつまでに請求しますか。

認定請求に期限の定めはありませんが、手当は請求した月の翌月分から支給され、さかのぼっては受け取れません。速やかに市区町村の窓口へ出してください。

年金事務所へ行く必要はありますか。

国民年金の種別変更届は市区町村の年金担当窓口、年金事務所、マイナポータルのいずれかで届け出られます。年金分割の手続きは年金事務所が窓口です。

期限が決まっていない手続きは、いつまでに済ませればよいですか。

運転免許証は「速やかに」、パスポートは「遅滞なく」とされ、日数の定めはありません。印鑑登録や保育料の再算定は自治体で確認してください。

公式根拠

氏の変更届はe-Gov法令検索: 民法767条2項・戸籍法77条の2、住所変更・世帯主変更はe-Gov法令検索: 住民基本台帳法22条・25条、国民健康保険の資格取得届はe-Gov法令検索: 国民健康保険法施行規則第3条、国民年金の種別変更はe-Gov法令検索: 国民年金法施行規則第6条の2(いずれも条文本文を直接確認、確認日2026年10月9日)で確認できます。児童扶養手当はe-Gov法令検索: 児童扶養手当法6条・7条とかすみがうら市の案内、保育料は横浜市の案内で確認できます。実際の手続きの詳細(自治体条例に基づく部分)は、お住まいの市区町村で確認してください。共同親権制度下での児童扶養手当・住民票・健康保険の実務上の取り扱いは法務省のQ&A(行政手続・支援編)で確認できます。このサイトが各ページで使った公式資料の一覧は出典一覧のページにまとめています。

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