離婚後の賃貸住宅の確認事項の早見表
| 確認すること | 確認できた内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 契約名義を変える | 賃借権を譲り渡すには賃貸人(大家)の承諾が必要 | 民法612条 |
| 連帯保証人の責任の上限 | 個人が保証人の根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じない | 民法465条の2 |
| 極度額の金額 | 契約時の額が適用され、賃料が増減しても変わらない | 国土交通省の事例集(令和3年3月) |
| 契約更新の種類 | 合意更新と法定更新があり、自動更新は合意更新の一種と解される | 国土交通省の事例集(令和3年3月) |
| 離婚を理由にした名義変更の手続き・書類 | 全国共通の決まりは確認できていません | 契約書と貸主・管理会社の案内で確認 |
表は民法と国土交通省の資料に載っている範囲です。名義変更の可否や審査、必要書類は貸主・管理会社ごとに異なるため、契約書と各社の案内で確認してください。
大家・管理会社への連絡の順番
離婚後に誰が住み続けるかで、連絡の中身が変わります。名義の変更には貸主の承諾が必要なので、先に契約書を見て、貸主・管理会社へ状況を伝えてから動くのが安全です。
- 賃貸借契約書を取り出し、契約者(借主)・同居人・連帯保証人・保証会社の有無・極度額・更新の時期を確かめる
- 管理会社(無ければ大家)へ、離婚の予定と、住み続ける人・出ていく人を伝え、名義変更や退去の手順と必要書類を聞く
- 連帯保証人になっている人(親族など)へ、貸主へ相談することを先に知らせる
- 貸主の承諾が得られたら、貸主が示す書面で名義や保証人を変える。口頭だけで済ませず、変更後の契約書面を受け取る
- 住所や氏名が変わる場合は、公的手続きを進める(世帯変更届、氏名変更)
契約名義を変えるとき
民法612条は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡すことができないと定めています。承諾なく第三者に使用させたときは、賃貸人が契約を解除できるとも定めています。契約者が出ていき、元の配偶者が住み続ける場合は、使い続ける前に貸主・管理会社へ申し出て、承諾を得る必要があります。離婚を理由とする名義変更について、法令に定めた手続きや必要書類は確認できていません。
連帯保証人を外したいとき
個人が連帯保証人になる賃貸借の保証は、民法465条の2の個人根保証契約にあたり、極度額(保証人が負う上限額)を定めなければ効力を生じません。国土交通省の事例集は、極度額を「○○円」等と明瞭に書面へ記載する必要があり、契約時の額が適用され賃料が増減しても変わらないとしています。名義を変える場合に保証人を外せるか、新しい契約者に新たな保証人や保証会社が必要かは、法令上の決まりが確認できないため、貸主・管理会社に確認します。
契約更新の時期に当たるとき
国土交通省の事例集は、更新を「合意更新」と、借地借家法に基づく「法定更新」に分けて説明しています。期間満了の1年前から6か月前までの間に更新しない旨などの通知をしなかったときなどは、従前と同一の条件で更新したとみなされる、と説明しています。契約書に自動更新の定めがある場合は合意更新の一種と解されます。更新の時期と名義変更が重なるときは、更新の案内が来る前に管理会社へ相談すると、手続きを一度にまとめやすくなります。
相談先
貸主・管理会社との話し合いがまとまらない、契約内容に納得できないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りの消費生活センター等の相談窓口を案内されます(国民生活センターの案内)。離婚そのものの法律相談は法テラスの案内で確認できます。住まいの確保が難しいときは住居確保給付金、公営住宅の優先入居、住まいの支援の比較も確認できます。
未確認のまま扱っている事項
- 離婚を理由にした賃貸住宅の名義変更について、国土交通省などが定めた共通の手続き・必要書類は確認できていません。
- URや公営住宅など、運営主体ごとの名義承継の取り扱いは、このページでは確認していません。
- 保証会社を利用している契約の変更手続きは、確認していません。
- 敷金の精算や原状回復の費用負担は、このページでは扱っていません。
よくある質問
離婚したら賃貸の契約名義は自動で変わりますか。
自動では変わりません。民法612条は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡せないと定めています。名義を変えるには貸主・管理会社への申し出が必要です。
連帯保証人は離婚で自動的に外れますか。
離婚だけで外れると定めた規定は確認できていません。外せるかどうかは契約書の内容と貸主・管理会社の判断になるため、先に確認してください。
連帯保証人の責任に上限はありますか。
個人が連帯保証人になる賃貸借の保証には、民法465条の2により極度額の定めが必要で、定めがなければ保証契約は効力を生じません。
契約者が出ていき、元の配偶者が承諾を得ずに住み続けたらどうなりますか。
民法612条2項は、賃借人が賃貸人の承諾なく第三者に賃借物を使用させたとき、賃貸人は契約を解除できると定めています。住み続ける前に貸主・管理会社へ申し出て承諾を得てください。
契約の更新時期と離婚が重なるときは、どうすればよいですか。
国土交通省の事例集は、更新を合意更新と法定更新に分けて説明し、契約書に自動更新の定めがある場合は合意更新の一種と解されるとしています。更新の案内が来る前に管理会社へ相談すると、手続きを一度に進められる場合があります。
公式根拠
条文はe-Gov法令検索: 民法(612条・465条の2)、極度額と契約更新は国土交通省: 改正民法施行に伴う民間賃貸住宅における対応事例集(令和3年3月)、相談窓口は国民生活センター: 全国の消費生活センター等で確認できます(いずれも確認日2026年10月13日)。実際の手続きは、契約書と貸主・管理会社の案内で確認してください。
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