別居中の生活費(婚姻費用)

別居中の生活費(婚姻費用)の分担請求調停・申立先・費用・必要書類

離婚が成立する前に別居している間も、夫婦は生活費を分担します。この生活費は「婚姻費用」と呼ばれ、話合いがまとまらないときは家庭裁判所に調停を申し立てられます。根拠の条文、申立先、費用、必要書類、調停が不成立のときの流れを公式資料で確認します。

このページで終える確認

離婚届を出す前の別居中に、相手に生活費の分担を求める手続きの入口だけを確認します。金額が妥当かどうかの判断や、個別の事情に応じた法律相談は行いません。離婚後の子の養育費は別の手続きで、養育費請求調停と法定養育費のページで確認できます。養育費の確保を支援する自治体の補助も別のページで扱います。別居中に子と同居している親の児童手当の扱いは児童手当の受給者変更のページで確認できます。

婚姻費用とは(民法第760条)

民法第760条は、夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する、と定めています。この「婚姻から生ずる費用」が婚姻費用で、夫婦と未成熟の子の生活費など、婚姻生活を維持するために必要な費用が含まれます。民法第752条は、夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない、と定めています。

話合いがつかないとき:分担請求調停

裁判所の案内では、別居中の夫婦の間で婚姻費用の分担について、話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には、家庭裁判所に調停または審判の申立てをすることができるとされています。調停を利用する場合は「婚姻費用の分担請求調停事件」として申立てをします。調停では、夫婦の資産、収入、支出など一切の事情について双方から事情を聴き、必要に応じて資料の提出を求めたうえで、解決案の提示や助言をして合意を目指します。

表は横にスクロールできます。

申立ての基本(裁判所の案内による)
項目内容
申立人夫または妻
申立先相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所
費用収入印紙1200円分と、連絡用の郵便切手(郵便料は裁判所ごとに異なる。保管金として納付することもできる)
申立書類申立書とその写し1通
標準的な添付書類夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書。内縁関係に関する申立ての場合は不要)、申立人の収入関係の資料(源泉徴収票、給与明細、確定申告書等の写し)、事情説明書(婚姻費用分担)、進行に関する照会回答書
その他の書式送達場所等届出書

審理のために必要な場合は、追加の書類の提出を求められることがあります。申立書の書式と記載例は裁判所のサイトで公開されています。

申立先は「申立てる側」ではなく「相手方」の住所地です。

別居後に相手が別の地域へ転居している場合は、相手方の現在の住所地を管轄する家庭裁判所が基本になります。管轄の確認は、裁判所の申立書提出先一覧で行えます。

調停が成立しなかったとき:審判

話合いがまとまらず調停が不成立になった場合は、審判の手続が始まり、裁判官が必要な審理をしたうえで、一切の事情を考慮して判断(審判)をします。

金額の目安として使われる算定表

最高裁判所の公表資料によると、家庭裁判所で養育費や婚姻費用の算定に使われてきた標準算定方式・算定表について、基礎となる統計資料を更新した令和元年版が、令和元年12月23日の司法研究報告で提案されています。婚姻費用の表は、夫婦のみの場合と、子が1人から3人までの年齢の組合せ別に分かれています。自分の場合にどの表を使い、いくらが相当かは、このページでは判断しません。収入の数え方などは調停の場で確認されます。

手続きの順番とよくある質問

婚姻費用の分担請求調停の手続きの順番
順番することと提出先
1夫婦で婚姻費用の分担を話し合う(民法第760条)
2話合いがまとまらない、または話合いができないときは、申立書とその写し1通、戸籍謄本、収入関係の資料、事情説明書などを用意する
3相手方の住所地の家庭裁判所(または合意で定めた家庭裁判所)へ、収入印紙1200円分と郵便切手を添えて調停を申し立てる
4調停で双方の資産・収入・支出などの事情を話し合い、解決案の提示や助言を受けて合意を目指す
5調停が不成立になった場合は、審判の手続が始まり、裁判官が判断する

Q. 別居中の生活費は、離婚していなくても請求できますか。
A. 民法第760条は、夫婦はその資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する、と定めています。話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停または審判を申し立てられます。

Q. 調停の申立先は自分の住所地ですか。
A. いいえ。相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所です。相手が転居しているときは、相手方の現在の住所地を管轄する家庭裁判所が基本になります。

Q. 申立ての費用はいくらですか。
A. 収入印紙1200円分と、連絡用の郵便切手です。郵便料は裁判所ごとに異なります。

Q. 金額はいくらになりますか。
A. このページでは判断しません。家庭裁判所で算定に使われてきた標準算定方式・算定表の令和元年版が公表されていますが、自分の場合にどの表を使いいくらが相当かは、調停の場で確認されます。

未確認のまま扱っている事項

  • 婚姻費用をさかのぼって請求できる期間の考え方。取得した公式案内に記載を確認できていません。
  • 離婚が成立したあとの婚姻費用と養育費の関係。裁判所の案内は別居中の生活費は婚姻費用の調停、離婚後の養育費は養育費の調停と手続きを分けていますが、切替の時期の細目は確認できていません。
  • 調停の標準的な期間や回数。

公式根拠

婚姻費用の分担はe-Gov法令検索: 民法第760条、同居・協力・扶助の義務は同法第752条で確認しました(確認日2026年10月6日)。調停の概要・申立人・申立先・費用・必要書類は裁判所: 婚姻費用の分担請求調停、算定表の公表の経緯は裁判所: 平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告についてで確認できます(いずれも確認日2026年10月6日)。

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