離婚・退職後の傷病手当金

離婚・退職後の傷病手当金(扶養を外れる場合と継続給付の条件)

離婚で配偶者の健康保険の扶養を外れる人と、離婚にあわせて退職する人では、傷病手当金の扱いが違います。扶養を外れるだけでは当たらない点、退職後も受け続けられる継続給付の条件、国民健康保険との違いを、健康保険法・国民健康保険法の条文で確認します。

このページで終える確認

傷病手当金は、病気やけがで働けない間の生活を支える、健康保険の給付です。自分が扶養される側か、勤務先の健康保険に入る側か、退職の時点で傷病手当金を受けているかの三つを確認すれば、このページの確認は終わりです。金額の計算や、働けない状態かどうかの判断はこのページでは行いません。扶養を外れた後の国民健康保険の手続きは扶養から外れた後の国民健康保険のページで確認できます。

よくある質問(法律の条文で確認できる範囲)

Q. 離婚で配偶者の扶養を外れると、傷病手当金は受けられますか。
A. 傷病手当金は健康保険法第99条により被保険者に支給される給付です。扶養されていた被扶養者への給付は家族療養費など(同法第110条)で、傷病手当金はありません。詳しくは扶養されていた人の場合で確認してください。

Q. 退職後も傷病手当金を受け続けられる条件は何ですか。
A. 同法第104条は、資格喪失の日の前日まで引き続き1年以上被保険者であり、資格喪失の際に傷病手当金の支給を受けている人を対象にしています。詳しくは退職後の継続給付の条件で確認してください。

Q. 任意継続被保険者になれば、傷病手当金を新たに受けられますか。
A. 同法第99条第1項が、任意継続被保険者を対象から除いています。詳しくは任意継続・国民健康保険との違いで確認してください。

Q. 国民健康保険に入ると、傷病手当金は受けられますか。
A. 国民健康保険法第58条第2項は、市町村と組合が条例または規約の定めるところにより傷病手当金を支給できると定めています。必ず受けられる給付ではないため、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口で、条例で定めがあるかを確認してください。詳しくは任意継続・国民健康保険との違いで確認できます。

Q. 傷病手当金は、いつから、どれだけの期間支給されますか。
A. 健康保険法第99条第1項は、労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、労務に服することができない期間を支給の対象としています。支給期間は、同じ病気やけがについて、支給を始めた日から通算して1年6か月です(同条第4項)。

条文の確認日は2026年10月13日です(e-Gov法令検索: 健康保険法、国民健康保険法)。個別の受給可否は、加入している保険者が判断します。

扶養されていた人の場合

健康保険法第99条第1項は、傷病手当金を「被保険者…が療養のため労務に服することができないとき」に支給すると定めています。同法第52条は、被保険者に係る保険給付と被扶養者に係る保険給付を並べており、被扶養者の分は家族療養費・家族訪問看護療養費・家族移送費(第6号)、家族埋葬料(第7号)、家族出産育児一時金(第8号)で、傷病手当金は被保険者の給付(第2号)にだけあります。離婚で配偶者の扶養を外れても、被扶養者として傷病手当金を受けていたわけではないため、扶養を外れること自体で失う傷病手当金はありません。扶養を外れた後、自分で国民健康保険に入る場合の扱いは次の節で確認します。

退職後の継続給付の条件

勤務先の健康保険の被保険者だった人が、離婚にあわせて退職する場合の定めです。同法第104条は、「被保険者の資格を喪失した日…の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者」で、その資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができるとしています。

傷病手当金の継続給付の条件(健康保険法第99条・第104条、確認日2026年10月13日)
条件条文で確認できる内容
被保険者だった期間資格喪失日の前日まで引き続き1年以上(任意継続被保険者の期間などは数えない)
資格喪失の時点傷病手当金の支給を受けている
受けられる期間被保険者として受けることができるはずであった期間。支給期間は、同じ病気やけがについて、支給を始めた日から通算して1年6か月(第99条第4項)
支払う保険者同一の保険者(協会けんぽ、健康保険組合など)

この条件は、被保険者の期間が1年に満たない場合や、退職の時点で傷病手当金を受けていない場合は満たしません。傷病手当金の支給を受けているとはどの状態を指すか(申請前でも受けられる状態であれば足りるか)は、条文からは読み取れないため、加入している保険者に確認してください。

任意継続・国民健康保険との違い

退職後に保険を替える方法ごとに、傷病手当金の扱いが違います。

退職・離婚後の保険の選択と傷病手当金(確認日2026年10月13日)
選択傷病手当金根拠
任意継続被保険者になる新たに受けることはできない(継続給付の対象になる人は、第104条で別に扱う)健康保険法第99条第1項(任意継続被保険者を除く)
国民健康保険に入る法律上の必ず受けられる給付ではない。市町村・組合が条例または規約で定めた場合に行うことができる国民健康保険法第58条第2項
家族の扶養に入る被扶養者には傷病手当金がない健康保険法第52条

国民健康保険の傷病手当金の有無は市町村ごとに異なります。お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口で、条例で定めがあるかを確認してください。

未確認のまま扱っている事項

  • 継続給付で「傷病手当金の支給を受けている」状態に、申請前で受けられる状態を含むかどうか(全国健康保険協会の案内ページに接続できず、条文のみで確認しています)。
  • 退職日に出勤した場合の扱いなど、実務上の運用。
  • 国民健康保険の傷病手当金を実施している市町村の範囲。

公式根拠

傷病手当金の支給要件・支給期間・継続給付はe-Gov法令検索: 健康保険法第52条・第99条・第104条・第110条、国民健康保険の傷病手当金はe-Gov法令検索: 国民健康保険法第58条(いずれも条文本文をAPI経由で直接確認、確認日2026年10月13日)で確認できます。扶養を外れた後の手続きは扶養から外れた後の国民健康保険のページ、高額な医療費の上限は離婚と高額療養費のページ、出産前後に離婚・退職する場合の給付は出産育児一時金・出産手当金のページで確認してください。

← 自分の手続き順序へ戻る