離婚前後の出産育児一時金・出産手当金

離婚前後の出産育児一時金・出産手当金

妊娠中や出産前後に離婚・退職すると、加入する健康保険が変わります。出産育児一時金は出産した時点の保険者が原則で、退職後6か月以内の出産には例外があります。出産手当金は被保険者だけの給付です。扶養を外れる場合、退職する場合、国民健康保険に入る場合に分けて、条文と厚生労働省の案内で確認します。

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出産育児一時金は出産費用を支える一時金、出産手当金は出産のため仕事を休んだ間の給付です。出産するときにどの保険に入っているか、本人が被保険者か被扶養者か、前の保険に1年以上入っていたかの三つを確認すれば、このページの確認は終わりです。金額の計算や、個別に受け取れるかどうかの判断はこのページでは行いません。扶養を外れた後の国民健康保険の手続きは扶養から外れた後の国民健康保険のページ、病気やけがの給付は離婚・退職後の傷病手当金のページで確認できます。

よくある質問(条文と厚生労働省の案内で確認できる範囲)

Q. 離婚して健康保険が変わったあとに出産すると、出産育児一時金はどこから受け取りますか。
A. 出産した時点で加入している保険者に申請するのが原則です。1年以上被保険者だった人が資格を失った日から6か月以内に出産したときは、最後の保険者から受け取ることもできます。詳しくは退職後6か月以内に出産する場合で確認してください。

Q. 離婚で配偶者の扶養を外れると、出産手当金は受け取れますか。
A. 出産手当金は被保険者の給付で、被扶養者にはありません。被扶養者の出産には家族出産育児一時金が出ます。詳しくは扶養に入っている間に出産する場合で確認してください。

Q. 退職して国民健康保険に入った場合も、出産育児一時金と出産手当金は出ますか。
A. 出産育児一時金は条例・規約で支給するものとされ、出産手当金にあたる給付は法律上の必須ではありません。詳しくは国民健康保険に入った場合で確認してください。

Q. 出産育児一時金の申請期限はいつまでですか。
A. 厚生労働省の案内では、出産日の翌日から2年以内です。申請先は、出産した時点で加入している保険者が原則で、退職後6か月以内の出産では最後の保険者を選べる場合があります。詳しくは二つの給付の違いと退職後6か月以内に出産する場合で確認してください。

Q. 離婚にあわせて退職した場合、出産手当金は退職後も受け取れますか。
A. 健康保険法第104条により、資格を失った日の前日まで引き続き1年以上被保険者で、資格を失った際に出産手当金の支給を受けているときは、同じ保険者から継続して受けられます。退職時点で受けていない人や1年に満たない人は、この条件を満たしません。詳しくは出産手当金を退職後も受け取れる条件で確認してください。

条文の確認日は2026年10月14日です(e-Gov法令検索: 健康保険法、国民健康保険法)。個別の受給可否は、加入している保険者が判断します。

二つの給付の違い

出産育児一時金と出産手当金の違い(健康保険法、確認日2026年10月14日)
項目出産育児一時金出産手当金
根拠第101条第102条
対象被保険者が出産したとき被保険者が出産したとき(任意継続被保険者は除く。第99条第1項)
内容政令で定める金額。厚生労働省は、子ども1人につき原則50万円と案内出産の日以前42日(多胎妊娠は98日)から出産の日後56日までの間に仕事を休んだ期間について支給
被扶養者の出産家族出産育児一時金として被保険者に支給(第114条)被扶養者には支給されない

出産育児一時金の申請期限は、厚生労働省の案内では出産日の翌日から2年以内です。

扶養に入っている間に出産する場合

第114条は、「被保険者の被扶養者が出産したとき」に、家族出産育児一時金を被保険者に対し支給すると定めています。離婚前に配偶者の扶養の立場で出産した場合、受け取る給付は扶養している配偶者側の保険者のもので、金額は第101条の政令の額と同じです。出産手当金は第102条が被保険者の給付と定めているため、被扶養者として出産する人には支給されません。離婚届の提出と出産の時期が近い場合は、出産の日に被扶養者のままか、すでに扶養を外れて国民健康保険などに入っているかで、申請先が変わります。

退職後6か月以内に出産する場合

第106条は、「一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したとき」に、被保険者として受けることができるはずだった出産育児一時金を最後の保険者から受けることができると定めています。厚生労働省の案内も、退職後6か月以内に出産した人は、以前の保険者から支給を受けることを選べるとしています(以前の保険者に1年以上継続して加入していることが必要)。

出産育児一時金の申請先の見分け方(確認日2026年10月14日)
出産時の状況申請先として条文・案内で確認できること
配偶者の扶養に入ったまま出産家族出産育児一時金(第114条)。配偶者の保険者
自分が勤務先の健康保険に入ったまま出産出産育児一時金(第101条)。出産時の保険者
退職・離婚で国民健康保険に入った後に出産原則は出産時に加入している保険者(市町村など)。国民健康保険法第58条第1項で、条例・規約に基づく出産育児一時金
1年以上被保険者だった人が、資格喪失の日後6か月以内に出産最後の保険者から受け取ることもできる(第106条)

第106条は「被保険者であった者」と書いており、配偶者の被扶養者として過ごした期間が1年に数えられるかは、条文からは読み取れません。該当しそうな場合は、以前の保険者に確認してください。

出産手当金を退職後も受け取れる条件

第104条は、資格を失った日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者などを除く)だった人で、資格を失った際に出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずだった期間、同じ保険者から継続して受けられると定めています。出産手当金の対象期間は、出産の日以前42日から出産の日後56日までです(第102条)。離婚にあわせて退職するときは、退職の日に出産手当金を受けている状態か、被保険者期間が1年以上かの二つで、継続して受けられるかが分かれます。退職時点で受けていない人や、1年に満たない人は、この条文の条件を満たしません。「支給を受けている」状態に、休み始めていて申請前の人が入るかは条文から読み取れないため、保険者に確認してください。

国民健康保険に入った場合

国民健康保険法第58条第1項は、市町村と組合が、被保険者の出産について「条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給…を行うものとする」と定め、特別の理由があるときは全部または一部を行わないことができるとしています。第2項は、傷病手当金その他の保険給付を条例・規約で行うことができるとしており、出産手当金にあたる給付は法律上必ず行うものではありません。金額や出産手当金の有無は、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口で確認してください。

未確認のまま扱っている事項

  • 出産育児一時金の政令の額(健康保険法施行令)は、条文を取得できなかったため、厚生労働省の案内の「原則50万円」だけを記載しています。
  • 配偶者の被扶養者だった期間を、第106条の「1年以上被保険者であった」に数えるか。
  • 以前の保険者と出産時の保険者の両方に申請できるか、重ねて受け取れるか。
  • 国民健康保険の出産手当金を実施している市町村の範囲と、市区町村ごとの出産育児一時金の額。

公式根拠

出産育児一時金・出産手当金・継続給付・家族出産育児一時金はe-Gov法令検索: 健康保険法第99条・第101条・第102条・第104条・第106条・第114条、国民健康保険の出産育児一時金はe-Gov法令検索: 国民健康保険法第58条(いずれも条文本文を直接確認、確認日2026年10月14日)、支給額の目安・申請期限・保険者が変わった場合は厚生労働省「出産育児一時金等について」(確認日2026年10月14日)で確認できます。扶養を外れた後の手続きは扶養から外れた後の国民健康保険のページ、病気やけがで働けないときは離婚・退職後の傷病手当金のページで確認してください。

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