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協議離婚で取り決めた内容を公正証書にするときの、条項・効力・手数料を確認します。養育費の金額の決め方、慰謝料の相場、証書の文面の個別の作り方は扱いません。話合いがまとまらないときの調停は離婚調停のページ、養育費が払われないときの強制執行は養育費の強制執行のページで確認できます。
離婚の公正証書に入れる条項
日本公証人連合会の案内では、離婚に際して作成される公正証書は、離婚に伴う財産給付が書かれることが多いことから「離婚給付等契約公正証書」と呼ばれます。次の9つの条項のうち、当事者の要望や必要性に応じて選んで条項にします。
| 条項 | 内容の概要 |
|---|---|
| 離婚の合意 | 離婚することの合意 |
| 親権者・監護権者の定め | 監護権者は子の監護養育をする人。親権と分けて別に定めない限り、親権者が監護養育する |
| 養育費 | 子を養育する費用の支払 |
| 面会交流 | 子と離れて暮らす親と子との交流。日時や場所などは協議して定める形も例示されている |
| 慰謝料 | 離婚について責任のある側が他方に払う損害賠償金 |
| 財産分与 | 婚姻中の協力で形成された財産の清算 |
| 住所変更等の通知義務 | 養育費の支払や面会交流を円滑にするため、住所や勤務先の変更を通知し合う定め |
| 清算条項 | 証書に書いた権利義務のほかには、互いに債権債務がないことの確認 |
| 強制執行認諾 | 支払をしないときは強制執行されてもかまわないという定め |
住所や勤務先を相手に知られたくない場合(DV等のおそれがあるケースを含む)は、その希望を伝えて、証書にどう書くかを公証人に相談するよう案内されています。
公正証書を作っただけでは離婚は成立しない
公正証書によって協議離婚の合意をした場合でも、公正証書が作成されただけでは、離婚の効力は発生しません(日本公証人連合会の案内)。
離婚届を出したあとの手続きは行政手続きのページから確認できます。
公証人手数料の計算
手数料は、政令の公証人手数料令(令和7年政令第263号)で定められています。契約や法律行為の証書は、原則として「目的の価額」に応じた次の表で決まります。公証業務に関する相談は無料です。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3000円 |
| 50万円超100万円以下 | 5000円 |
| 100万円超200万円以下 | 7000円 |
| 200万円超500万円以下 | 13000円 |
| 500万円超1000万円以下 | 20000円 |
| 1000万円超3000万円以下 | 26000円 |
| 3000万円超5000万円以下 | 33000円 |
| 5000万円超1億円以下 | 49000円 |
離婚給付については、次のとおり案内されています。
- 慰謝料・財産分与と、未成年の子の養育料の支払は、別々の法律行為として扱います。それぞれの手数料を計算し、合計額がその証書の手数料になります。
- 養育料の支払は賃料と同じ定期給付にあたります。支払期間が長いときの目的の価額の上限は、5年分の支払金額の総額です。
- 目的の価額は、公証人が証書の作成に着手した時を基準に算定します。
- 手数料は原則として、証書の正本等を受け取るときに現金またはクレジットカードで払います。資力がないことが市町村長等の証明書で明らかなときは、支払の猶予が認められる場合があります。
計算の例
表は横にスクロールできます。
| 取決め | 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|---|
| 養育費 月3万円 | 5年分 180万円(上限の5年分で頭打ち) | 7000円 |
| 養育費 月5万円 | 5年分 300万円 | 13000円 |
| 財産分与 600万円 | 600万円 | 20000円 |
| 月5万円の養育費と600万円の財産分与を同じ証書にする | 別々に計算して合計 | 13000円+20000円=33000円 |
この例は基本の手数料だけを計算したものです。正本・謄本の交付などにかかる別の手数料は含めていません。実際の額は、依頼する公証役場に確認してください。
強制執行認諾の効力と限界
公正証書に、一定額の金銭の支払についての合意と、支払をしないときは強制執行されてもかまわないという定め(強制執行認諾)を書くと、支払が履行されないときに、裁判の手続を経ずに強制執行ができます。養育費、財産分与、慰謝料の支払を確保する方法として案内されています。
- 金銭以外の財産の給付の約束は、公正証書によって強制執行することはできません。
- 公正証書は当事者の合意を書いて作るもので、公証人は養育費の金額を算定してくれません。家庭裁判所の実務では簡易な計算方法として「養育費・婚姻費用算定表」が用いられていると案内されています。
- 養育費の額や支払方法は、離婚後に事情が変わったときは、当事者の協議で変更できます。まとまらないときは家庭裁判所に調停を申し立てます(養育費請求調停のページ)。
よくある質問
Q. 公正証書を作れば、離婚は成立しますか。
A. 成立しません。離婚届が受理されてはじめて効力が生じます。
Q. 養育費を10年分、公正証書にすると手数料は10年分で計算されますか。
A. 日本公証人連合会の案内では、養育料の目的の価額は5年分の支払金額の総額が上限です。
Q. 養育費と財産分与を1通の証書にすると、手数料はどうなりますか。
A. 別々の法律行為として手数料を計算し、その合計額になります。
Q. 公証人に養育費の金額を決めてもらえますか。
A. 決めてもらえません。当事者の合意を書いて証書にします。
Q. 公正証書があれば、不動産の引渡しも強制執行できますか。
A. 金銭以外の財産の給付は、公正証書によって強制執行できないと案内されています。
次に読む手続き
- 話合いがまとまらないとき: 夫婦関係調整調停(離婚)の申立て
- 養育費を取り決めた後: 養育費請求調停、養育費の強制執行
- 離婚届と離婚後の期限付き手続き: 離婚後の期限一覧、行政手続きの一覧
未確認のまま扱っている事項
- 公証役場で求められる必要書類と、予約から作成までの標準的な日数。
- 正本・謄本の交付や証書の枚数に応じた別の手数料の額。
- 養育費の目的の価額が子の人数で変わるかどうか。
- 証書の文面(条項の書き方)の個別の作り方。
個別の事情に応じた判断は、公証役場の無料相談や弁護士などの専門家へ確認してください。
公式根拠
条項・離婚の効力・強制執行認諾は日本公証人連合会: 公証事務 7 離婚、手数料の表と離婚給付の計算は日本公証人連合会: 公証事務 12 手数料で確認しました(確認日2026年10月9日)。
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