よくある質問(離婚と相続)
Q. 離婚したら、元配偶者は自分の相続人になりますか。
A. 離婚が成立すると、元配偶者は相続人になりません。民法第890条は「被相続人の配偶者は、常に相続人となる」と定めており、離婚が成立すると配偶者ではなくなるためです。離婚届を出す前の別居中は、まだ配偶者なので相続人です。
Q. 離婚したら、子の相続権はなくなりますか。
A. なくなりません。民法第887条第1項は「被相続人の子は、相続人となる」と定めており、親の婚姻の有無や親権者がどちらかは条件になっていません。
Q. 離婚前に書いた遺言書は、離婚後も使えますか。
A. 離婚しただけで遺言書が自動的に無効になるとは、このページでは確認できていません。遺言の内容に元配偶者の名前がある場合は、書き直すか、法務局や専門家に内容を確認してください。
Q. 遺言書は自分で書けますか。
A. 自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自分で書き、印を押す必要があります(民法第968条第1項)。財産の目録だけはパソコンなどで作れますが、各ページに署名と押印が要ります(同条第2項)。
元配偶者は相続人でなくなる
民法第890条は、「被相続人の配偶者は、常に相続人となる」と定めています。協議離婚は、戸籍法の定めに従って届け出ることで効力が生じます(民法第764条が準用する第739条)。届出が済んで離婚が成立すると、元配偶者は「配偶者」ではなくなるため、この条文の相続人には当たりません。
反対に、離婚届を出す前は、別居していても配偶者のままです。離婚協議の途中で一方が亡くなった場合は、離婚が成立していないため、配偶者が相続人になります。
子は離婚後も相続人のまま
民法第887条第1項は、「被相続人の子は、相続人となる」と定めています。この条文には、親が離婚しているか、親権者がどちらかという条件はありません。親権者でない親が亡くなったときも、子は相続人です。
| 立場 | 離婚が成立する前 | 離婚が成立した後 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 配偶者(元配偶者) | 相続人になる | 相続人にならない | 民法第890条 |
| 子 | 相続人になる | 相続人になる | 民法第887条第1項 |
表は横にスクロールできます。法定相続分の割合は、相続人の組み合わせで変わります(民法第900条)。
相続人が変わると相続分はどうなるか
民法第900条は、子と配偶者が相続人のときは各2分の1、配偶者がいなければ子が相続人になる、という形で相続分を定めています。離婚後は配偶者がいない状態になるため、子だけが相続人になるのが基本で、子が複数いるときは各自の相続分は等しくなります(同条第4号)。子がいない場合は、直系尊属、次に兄弟姉妹の順に相続人になります(民法第889条第1項)。
遺言書を見直す
遺言があれば、遺言で相続分を指定できます(民法第902条第1項)。離婚前に書いた遺言に元配偶者の名前や配偶者への遺贈が入っているときは、離婚後の状況に合っているか見直しておくと安心です。
自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自分で書いて印を押します(民法第968条第1項)。財産の目録だけはパソコンなどで作れますが、各ページに署名と押印が必要です(同条第2項)。法務省は、自筆証書遺言を法務局が預かる「自筆証書遺言書保管制度」を案内しています。申請や手数料の詳細は法務省のページで確認してください。
遺留分や、離婚前に書いた遺言が離婚後にどう扱われるかなど、個別の事情で結論が変わる点は、このページでは判定しません。具体的な相続や遺言は、弁護士・司法書士・公証人などの専門家か、法テラスなどの相談窓口に確認してください。
生命保険の受取人は別に見直す
生命保険の死亡保険金の受取人は、遺言とは別に保険契約で決まっています。離婚後に受取人を元配偶者のままにしていないかは、離婚後の保険の名義・受取人の手続きで確認してください。
未確認のまま扱っている事項
- 離婚前に書いた遺言書の内容が、離婚後にどう扱われるか(元配偶者への遺贈の効力など)は確認していません。
- 遺留分、特別受益、相続税については扱っていません。
- 自筆証書遺言書保管制度の申請方法・手数料は、法務省の案内で確認してください。
公式根拠
相続人の範囲と遺言の方式はe-Gov法令検索: 民法第739条・第764条・第887条・第889条・第890条・第900条・第902条・第968条(条文本文をAPI経由で直接確認、確認日2026年10月17日)、遺言書の保管は法務省: 自筆証書遺言書保管制度について(確認日2026年10月17日)で確認できます。
次に読む手続き
相続の確認のあとは、保険の名義・受取人の手続き、財産分与の調停、全体の順番は離婚後の手続きの順番と窓口別の一覧で確認できます。
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