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国民年金第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更そのもの(14日以内の届出)は行政手続きパックの児童扶養手当・国民年金の切替で確認済みという前提で進めます。ここでは、種別変更をした後に必要になることがある「保険料の免除・納付猶予」の審査対象者と、配偶者状況変更届(別の14日以内の届出)に絞って確認します。個別の受給可否・免除の承認可否はこのページでは判定しません。
免除・納付猶予の種類
国民年金保険料を納めることが経済的に困難なときの制度は、大きく分けて「免除」と「納付猶予」の2種類があります。免除には、全額免除(国民年金法第90条)と、4分の3・半額・4分の1免除(同法第90条の2)の4段階があります。納付猶予は、50歳未満の第1号被保険者を対象に、国民年金法等の一部を改正する法律の附則(経過措置)に基づいて設けられている時限的な制度です(当初は30歳未満が対象でしたが、平成28年7月以降50歳未満に拡大されています)。なお、学生を対象とする「学生納付特例」(国民年金法第90条の3)は、この免除・納付猶予とは別の制度です。
誰の所得が審査されるか(離婚で変わる部分)
国民年金法第90条・第90条の2は、いずれも「ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次の各号のいずれにも該当しないときは、この限りでない」という同じ構造のただし書きを置いています。つまり全額免除・一部免除は、申請する本人だけでなく、世帯主・配偶者それぞれの所得が基準以下であることが必要です。これに対し、日本年金機構の案内では、納付猶予制度の所得審査の対象は「本人・配偶者」とされ、世帯主は対象に含まれていません。
| 制度 | 所得審査の対象 | 離婚で変わりうる点 |
|---|---|---|
| 全額免除・一部免除(国民年金法90条・90条の2) | 本人・世帯主・配偶者 | 配偶者がいなくなる一方、住まいが変われば新しい世帯の世帯主(実家に戻る場合の親など)の所得が対象に加わることがある |
| 納付猶予(50歳未満、時限措置) | 本人・配偶者 | 配偶者がいなくなるため、本人の所得だけで審査される |
表は横にスクロールできます。世帯主が誰になるかは住民票上の世帯構成によって決まるため、離婚後の住まい(実家に戻る、単身で新しい世帯を持つ等)によって審査対象が変わります。
離婚で収入が減って年金保険料の負担が重いときは、国民健康保険料にも減免の仕組みがあります。所得激減などの基準は自治体で異なるため、国民健康保険料の減免基準(所得激減・ひとり親と自治体差)で確認できます。児童扶養手当の所得の基準は、年金の免除とは別の制度で定められています。児童扶養手当の所得制限限度額・一部支給額で確認してください。
配偶者状況変更届(継続審査を申し出ていた場合)
免除・納付猶予は毎年度申請するのが原則ですが、承認を受けた人が「翌年度以降も継続して審査してほしい」と申し出ている場合があります。この継続審査を申し出ている人が、離婚により配偶者を有しなくなったときは、「国民年金保険料免除・納付猶予継続申請者の配偶者状況変更届」を、事実発生日(離婚日)から14日以内に、お近くの年金事務所へ提出する必要があります。婚姻により新たに配偶者を有するに至った場合も同様の届出が必要です。この制度は令和元年7月1日から取り扱いが始まっており、対象となる配偶者には内縁関係も含まれます。
種別変更届は「加入区分」を第3号から第1号へ変える届出で、配偶者状況変更届は「免除・納付猶予の継続審査」の前提条件が変わったことを伝える届出です。いずれも起点となる事実から14日以内という点は共通ですが、対象になる人(継続審査を申し出ている人かどうか)が異なるため、混同しないでください。継続審査を申し出ていない人(毎年度あらためて免除・納付猶予を申請する人)については、この届出の対象になるかどうか公式資料に明記が見当たらず、確認できていません。
離婚後の住まい別に見る審査の対象者
上の表の区分を、離婚後の住まいに当てはめた例です。金額の基準は書いていません。個別の承認可否は判定せず、誰の所得が見られるかだけを示します。
| 離婚後の状況 | 全額免除・一部免除で見られる人 | 納付猶予(50歳未満)で見られる人 |
|---|---|---|
| 単身で新しい世帯を持ち、自分が世帯主になる | 本人(本人が世帯主) | 本人 |
| 実家に戻り、親が世帯主の世帯に入る | 本人と、世帯主である親 | 本人 |
| 子と同居し、自分が世帯主になる | 本人(本人が世帯主)。子は審査対象の人ではなく、基準額の計算の「扶養親族等の数」に関わる | 本人 |
| 元配偶者と別世帯になる(元配偶者は同居しない) | 元配偶者の所得は審査対象に入らない。住民票上の世帯主になる人(本人または同居の親族)が見られる | 本人 |
表は横にスクロールできます。世帯主が誰かは住民票の世帯構成で決まるため、離婚後の住民票の異動のあとでないと、実際の審査対象は確定しません。
全額免除の所得基準の計算の流れ(仮の例)
日本年金機構は、全額免除と納付猶予の所得の基準を、前年所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」の範囲内であることとしています。審査の対象になる前年所得は、上の表で見られる人の前年所得です。ここでは仮の人物を置き、基準額までの手順だけを示します。承認されるかどうかは判定しません。
| 手順 | 仮の例A: 単身で自分が世帯主、扶養親族等なし | 仮の例B: 子1人と同居し、子が扶養親族等 |
|---|---|---|
| 1. 審査対象の人を決める | 本人(自分が世帯主) | 本人(自分が世帯主) |
| 2. 扶養親族等の数を数える | 0人 | 1人 |
| 3. 算式に当てはめる | (0+1)×35万円+32万円=67万円 | (1+1)×35万円+32万円=102万円 |
| 4. 前年所得と比べる | 審査対象の前年所得が67万円の範囲内か | 審査対象の前年所得が102万円の範囲内か |
数字は日本年金機構の算式に当てはめた計算です。実際の基準額は、地方税法に定める寡婦・ひとり親・障害者に当たる場合に変わると同機構が案内しています。離婚して子と同居する人はひとり親に当たることがあるため、自分の基準額は年金事務所または市区町村の窓口で確認してください。確認日: 2026年10月17日(日本年金機構: 国民年金保険料の免除・納付猶予制度)。
さかのぼって申請できる期間
免除・納付猶予の申請は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1カ月前までの期間)について、さかのぼって行うことができます。離婚直後で手続きが立て込んでいてすぐに申請できなくても、この期間内であれば申請自体は可能です。ただし免除・納付猶予の申請が遅れると、その間に万一の障害・死亡があった場合に障害年金・遺族年金を受けられないおそれがあるため、早めの申請が有利です。
| 手続き | 起点 | 期限・期間 | 届出先 |
|---|---|---|---|
| 配偶者状況変更届(継続審査を申し出ていた人) | 離婚日(事実発生日) | 14日以内 | お近くの年金事務所 |
| 第3号から第1号への種別変更(別の届出) | 扶養から外れた事実があった日 | 14日以内 | 市区町村の年金担当窓口 |
| 免除・納付猶予の申請 | — | 保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1カ月前まで)はさかのぼって申請できる | 年金事務所・市区町村 |
免除・納付猶予の「年度」は4月から翌年3月ではなく、7月から翌年6月です。日本年金機構の資料では、年度ごとに審査の対象となる前年所得が決まっています。離婚した月がどの年度に入るかで、申請の対象になる期間と審査される所得の年が変わります。
| 離婚日の例 | 離婚日が入る年度 | その年度の対象期間 | 審査対象の前年所得 |
|---|---|---|---|
| 令和8年3月(年度の後半) | 令和7年度分 | 令和7年7月〜令和8年6月 | 令和6年中所得 |
| 令和8年9月(年度の前半) | 令和8年度分 | 令和8年7月〜令和9年6月 | 令和7年中所得 |
この表は年度の区切りの当てはめ例で、承認されるかどうか、誰の所得が審査されるかは、前の表と国民年金法の条文で別に確認してください。令和8年度分は令和8年7月から申請できます。各月分の具体的な申請期限は、日本年金機構の「令和8年度中に免除等申請期限が到来する保険料」の表で確認します。
| 方法 | 添付する書類 |
|---|---|
| 基礎年金番号で手続きする | 基礎年金番号通知書、または年金手帳など基礎年金番号を明らかにできる書類 |
| マイナンバーで手続きする | マイナンバーカード。持っていない場合は、マイナンバーが確認できる書類(個人番号の表示がある住民票の写しなど)と、運転免許証・パスポート・在留カードなどの身元確認書類 |
| 失業を理由に申請する | 失業の事実が確認できる書類(離職票の写しなど、機構の案内に挙がる書類) |
申請先は、住所地の市区町村の国民年金の担当窓口または年金事務所で、郵送もできます。電子申請(ねんきんネット等)も案内されています。確認日: 2026年10月12日(日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「免除等の申請が可能な期間」)。
免除を受けた期間の保険料を後から納める追納
離婚後に免除・納付猶予を受け、その後に収入が戻った場合は、承認を受けた期間の保険料を申し出により後から納める「追納」ができます。納めると、将来の老齢基礎年金の額を満額に近づけられます。追納するかどうかは本人の選択で、このページでは必要かどうかの判断はしません。
| 確認すること | 日本年金機構の案内 |
|---|---|
| 対象期間 | 追納が承認された月の前10年以内の、免除・納付猶予の承認を受けた期間。一部免除の期間は、納めるべき一部保険料が納付されていないと追納できない |
| 加算の有無 | 承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされる。令和6年度・令和7年度の月分には加算額がない |
| 納める順序 | 原則として古い期間の保険料から。免除と納付猶予の両方がある場合は年金事務所に相談する |
| 申込先 | お近くの年金事務所(街角の年金相談センターでは手続きできない)。窓口のほか郵送も可。申込書は「国民年金保険料 追納申込書」 |
| 納付方法 | 申込後に届く納付書で納める。口座振替・クレジットカードは使えない |
| できない人 | 老齢基礎年金を受け取ることができる人は追納できない |
追納した保険料は社会保険料控除の対象になります。追納が承認された月の前10年以内という期限があるため、申込書を期限の直前に出すと間に合わなくなることがあります。確認日: 2026年10月13日(日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」)。
よくある質問
離婚したら免除の手続きは必ず必要ですか。
継続審査を申し出ている人が離婚により配偶者を有しなくなったときは、配偶者状況変更届を離婚日から14日以内に年金事務所へ出す必要があります。継続審査を申し出ていない人の扱いは公式資料に明記が見当たらず、確認できていません。
離婚すると審査される所得はどう変わりますか。
全額免除・一部免除は本人・世帯主・配偶者の所得が基準になります。納付猶予は本人と配偶者が対象で、離婚後は本人の所得だけで審査されます。実家に戻るなど世帯主が変わると、全額免除・一部免除では新しい世帯主の所得が対象に加わることがあります。
納付猶予は何歳まで使えますか。
50歳未満の第1号被保険者が対象の時限的な制度です。
申請が遅れたら、さかのぼれますか。
保険料の納付期限から2年を経過していない期間はさかのぼって申請できます。ただし申請が遅れる間に障害や死亡があると、障害年金・遺族年金を受けられないおそれがあります。
免除や納付猶予を受けた期間の保険料を、後から納められますか。
承認が出た月の前10年以内の期間であれば、申し出により追納できます。承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に納めると加算額が付くことがあります。申込先はお近くの年金事務所です。詳しくは追納の表を参照してください。
第3号から第1号への切替の届出と同じものですか。
別の届出です。種別変更は加入区分を変える届出、配偶者状況変更届は継続審査の前提が変わったことを伝える届出です。詳しくは第3号から第1号への種別変更のページを参照してください。
未確認のまま扱っている事項
- 継続審査の申出をしていない人(毎年度新規に免除・納付猶予を申請する人)が離婚した場合に、配偶者状況変更届の対象になるかどうか。日本年金機構の該当ページには継続審査を申し出た人に限定する記載があり、それ以外の場合の扱いは明記が見当たりません。
- 免除・納付猶予を受けた期間が老齢基礎年金の年金額にどの程度反映されるかの具体的な計算は、このページでは扱いません。日本年金機構の案内の範囲を超える試算はしていません。
公式根拠
所得審査の対象者(世帯主・配偶者の要件)はe-Gov法令検索: 国民年金法第90条・第90条の2・第90条の3本文(API経由で直接確認、確認日2026年9月7日)、免除・納付猶予制度の概要と対象所得の書き分けは日本年金機構: 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度、配偶者状況変更届は日本年金機構: 国民年金保険料免除・納付猶予継続申請者の配偶者状況変更届、さかのぼり申請できる期間は日本年金機構: 国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間で確認できます(いずれも確認日2026年9月7日)、追納は日本年金機構: 国民年金保険料の追納制度(確認日2026年10月13日)で確認できます。国民年金第3号から第1号への種別変更(14日以内)は行政手続きパックの児童扶養手当・国民年金の切替、届書の記載事項や配偶者の勤務先経由の届出との関係は国民年金の種別変更届のページで確認してください。
国民健康保険に切り替えるときの世帯主の届出は、離婚後の国民健康保険の世帯主変更・世帯分けと資格確認書で確認できます。
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